8月11日(水)の日記

最終日、稚内でレンタカーを借りて、見られなかったものを全部見てやる計画だった。しかし結構強い雨と霧で、気分は「消化試合」になってしまった。
8:00頃パチンコホテルに別れを告げ、あるいてすぐそばにあるトヨタレンタリースに行く。まずはでかい防波堤を見に行った。ああなるほど、でかいでかい。

私はビル以外の大きな建造物を見ると、てっぺんで布団しいて寝ることを想像してしまう。今回も防波堤の頂点で一晩明かすことを考えて身震いした。こんな高いところじゃ安心して眠れないし、寒いよね。
写真を2、3枚撮って、足早に宗谷岬に向かう。宗谷岬はおととい、一度通っているが目を向けなかったため一応、何があるかはわからないことになっている。1時間のドライブで宗谷岬に着いた。相変わらず本降りの雨。樺太なんて全然見えない。最北端の碑と間宮林蔵像をデジカメに収め、高台に登った。

高台の先の方にステーキハウスがあるというガイドブックの触れ込みがあったからだ。ああ、何かハウステンボス?のような風車つきのしゃれた建物がある。あれか。

歩いて行くにはちょっと遠いし、雨が降っているので車で出なおしてみた。建物に入ると、やはり雨のせいか朝が早いせいか、だれもいない。従業員の人たちが準備をしていた。あれ、営業中って看板あったんだけどね。本当はステーキ串なんてあれば買ったところなんだが、忙しく動いている店員さんに声をかけることはできずすごすごと退却した。
その後また1時間かけて稚内にもどり、副港市場に行く。市場というからには活気があって歴史もあって、朝早くから開いているのだろうと想像したが間違いだった。ここは市場もどきの魚屋さん・屋台村・温泉が一緒になった、立派な観光地だった。市場は9:00開店だが、まるっきり閑散としていた。こぎれいで商品がきれいに陳列されていて、土産物やさんですよこれは。それでも仕方ない、カニをおみやげにすると宣言して旅行を出発したので、カニを買わねばならない。何とか立派そうなたらばがにを探して、クール宅急便で送る。函館の市場なんか、朝4:00頃からやっていて非常に活気があってカニ選び放題、試食し放題だったのにさ。まあ、カニを食うなら函館に行け、稚内ではウニ丼と昆布しか期待するなというところか。
カニを買って敗戦気分を味わった後、温泉に入った。温泉はまたこぎれいで、スパ銭と何も変わらなかった。ただ新しかったし、平日なので2、3人しかいなかったのでとても快適に温泉につかることができた。露天風呂から外を眺めることができず残念だったけど、許すよ許す。家ではいつもシャワーを浴びているだけだが、やっぱり湯船はいいよね。
さて、小腹がすいたので稚内牛乳を飲んだあと、屋台村に向かった。しかし想像する屋台なんて、ひとっつもなかった。クレープ屋みたいのがあったが、あれはカウンターというものだ。私は北海道ならではのじゃがバターが食べたかったのに。あ、稚内では多くを期待してはいけないのだった。
傷心の私は気分を取り戻すべく、おととい訪れた樺太食堂にまた行ってみた。今回はおとといのような失敗は許されない。三色丼なんかでわだかまっていては。まよわず「うにだけうに丼」を注文。これは大きな丼の上に、ウニ8割いくら2割が載ってくるまさに稚内ならではのどんぶりだ。これだよこれ、とおいしくいただいた。これで3日間の旅行でうに丼を3杯食べたことになる。高い旅費を払ってきただけのことはあるね。うんうん。うれしい。お勘定で店員さんに「昨日も来ましたよね?」と聞かれた。うん、おとといも来たよ。だってやみつきなんだもん。また来るよ、今度はできればバイクで、と思いつつ食堂を後にした。
雨は相変わらず降り続けている。もう稚内公園とかアウトドアな施設を見る気は失せていたので、ガソリンを入れたあと空港横のレンタカー屋さんに車を返してしまった。
空港に着いたのは13:00、飛行機出発は15:00。2時間もの時間をどう過ごせというのか。とりあえずはレストランでカフェオレを飲んだ後、royce白い恋人をお土産として購入。北海道に行った人が必ず買ってくるお土産で、これを買うのが私の中のあこがれだったので、外すわけにはいかない。あとは高校野球をぼーっと見ながら、飛行機の到着を待つ。
飛行機が来た。今回は人生初の窓側席だ。気付かれないように浮かれながら席に乗り込む。飛行機は離陸のためのダッシュを始める。毎回思うんだが、あんなスピードを出したら空に飛んじゃうよ危険だ無謀だ。私の思いもむなしく飛行機は宙に浮いてしまい、時速800キロで空高いところを飛んで行った。機内ではスターバックスコーヒーのサービスをしているが、金が頭上の荷物置きの中にあったため、残念ながら頼めず。残念。なんていううちに飛行機は何事もおこらず羽田に到着。
パンと紅茶を買って、最寄りの駅直行のバスに乗り込む。ああ、今回の旅もこれでおしまい。

今回の反省点:廻ったところが観光地すぎた。北海道ならではの大自然を満喫できなかった。
今回得た点:うに丼を毎日食えた。結構強行スケジュールだったが、なんだかんだ言ってそこそこ楽しんでいた。